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ヒマラヤ産天然石解説

ヒマラヤ(ネパール)産コランダムの解説

鉱物名
コランダム(鋼玉石)
宝石名
ルビー、サファイア
主要産地
下記「ヒマラヤ産アクアマリン解説と産地の見解」参照

コランダム(ルビーとサファイア)解説

ルビーとサファイアは同じ石、というのは少しでも鉱物をかじっていれば誰もが知る事実でしょう。 それが同一のものであると解明される以前から各々は宝石として存在していたわけですが、1700年代後半に2つの石は同様のものであるとして鉱物名の「コランダム」が誕生しました。
そしてコランダムの中でも赤いものをラテン語の赤を意味するrubeus(ルビー)として、 青いものを青を意味するSapphirus(サファイア)としました。 しかしコランダムは含有される不純物(鉄、チタン、クロム等)により赤・青のみならずかなり多くの色が存在します。
現在の宝石業界・鉱物業界では元々の語源(青い色という意味)とは関係なく赤以外はサファイアと呼ぶのが共通認識となっております。
その際、サファイアの前に色を付けるのが一般的です。
ピンクサファイア・イエローサファイア、ブラックスターサファイア、イエローサファイア等聞いたことがあるものも多いことでしょう。

そのサファイアと一線を画しているのがルビーです。 真っ赤なコランダムだけは特別なのですね。 特にミャンマーで産出するクロム由来の「ピジョンブラッド(鳩の血」と呼ばれる赤は赤の中でも特出した赤です。 宝石質のものであればカラット数十万という単位で取引されます。 後述しますが、ガネーシュヒマールで産出したルビーは鉄やチタンを多く含むため、紫味を帯びています。

余談ですが、限りなく赤に近いピンク色のコランダムはどのような扱いになるのか。 これはグレーゾーンなのですね。 ルビーなのか、ピンクサファイアなのか、どちらでも間違いでは無く、どちらでも良いのです。
宝石業界の価値としてはルビーの方が高いのでルビーとする方が多いかもしれませんが。

さてこのコランダムですがヒマラヤ産のコランダムといえば言わずもがな、ガネーシュヒマール産の通称ルビーサファイアとカンチェンジュンガ産のパステルカラーサファイアでしょう。 こちらの解説ではこの2大コランダムに特化してシャンバラストーンズにしか書けない記載を進めさせて頂きます。

ダディン地区(通称ガネーシュヒマール産)ルビーサファイア解説と産地の見解

今やヒマラヤ産鉱物の中では最も伝説的存在と言えるのがこのルビーサファイア。 世界の市場の中でも「ヒマラヤ」というブランドはあくまでもマイナー的扱いなのですが、こちらだけはヨーロッパにおいても認知の高い石だといるでしょう。
ヒマラヤ登山ブームやヒッピー文化の影響もあり、70年代から80年代にかけて多くのヨーロッパ人がネパールを訪れるようになりました。 半鎖国状態であったネパールの開放から物語が始まります。
カトマンズにその石が持ち込まれたのは1981年という記録が残っておりますが、 ガネーシュヒマールの高地より赤い石(それがルビーと認知されていたかどうかは別として)が採れることはもっと古くから知られていたのかもしれません。 ラパ一円の地域は山羊の放牧地であり、点在する村々の大多数の村人は山羊の放牧により生計を立てておりました。
羊飼い達は夏場には山羊の群れを低地から高地へ、冬場には高地から低地へと移動させます。 その為、彼らは地の利に優れており、放牧地を点々とするうちに各鉱山が見つかったと言われております。 とある晴れた日に岩の間からキラキラと光る綺麗な石を見つけたのでしょうね。 私自身もこのエリアを10日間掛けて訪れておりますが、事実、ヒマラヤ水晶を初めとする鉱物の採掘地はカルカと呼ばれる放牧地の周辺に点在していることが多いのです(※とはいえルビーの鉱山は4400mを越える高地なので放牧には適しません。ルビーに関しては放牧中に、というわけではなさそうですが)

ともあれ、そのようにして偶然に見つかったルビーがカトマンズに運ばれ、偶々、宝石に詳しいヨーロッパ人の目に触れたのでしょう。
その時代には一部の愛好家や研究者がカトマンズを拠点にヒマラヤへ調査に来るようになりました。
特に80年代後半から90年代にはヨーロッパの研究者がヒマラヤ鉱物に関する興味深いレポートや論文を発表しております(私もそれらの論文を大いに参考にしております) その頃に簡易な鉱物の鑑別方法やカットの機材などがカトマンズにもたらされ、ヒマラヤにそれらしい宝石の業界ができたようです。 当時ヨーロッパの研究家と共に過ごしたネパール人業者の多くは亡くなってしまっていたり、商売をすでに引退しております。

80年代には某ネパール人業者が初めてミュンヘンショーに出展し秘境ヒマラヤの宝石や鉱物が市場でも知られるようになりました。その中でも特にヨーロッパの鉱物愛好家や研究者の目を惹いたのがこのルビーサファイア。

紫を帯びた赤に際立ったブルーのゾーニング。
なんと美しいバイカラーでしょう。

未知の世界への冒険や神秘主義的志向が高まっていた当初のヨーロッパにおいて、 未開の秘境ヒマラヤから産出する妖艶なるルビーが如何に新鮮に、そして衝撃的に人々の胸に刺さったことでしょうか。
想像するに容易いですね。

さてこのルビーサファイアですが、他と一線を画する特徴は際立った「カラーゾーニング」でしょう。
極めてはっきりとした2色性を持つコランダムなのですが、紫を帯びたレッドに藍色と言うに相応しいネイビーブルーのバイカラーです。 この赤と青のコントラストから、赤部分をルビ-、青部分をサファイアとして「ルビーサファイア」などと呼ばれます。
但し強い2色性を示すコランダムはガネーシュヒマール産のみの特徴という訳ではございません。
世界を見回すと2色性を示すコランダムは他の地域でも産出が確認されています。
同じような赤と青のバイカラーというのもインターネット上で検索すればすぐに出てくるでしょう。

しかしガネーシュヒマール産ルビーサファイアには一種の「らしさ」と呼べる特徴があります。
まずは色みです。 言葉で説明するのは非常に難しく、経験則なのですが、色がガネーシュヒマールらしいのです。 紫を帯びた赤なのですが、存在する色の呼び名で最も近いものは「えんじ色(英語ではMaroon)」でしょうか。
深みのある赤がやや紫や茶を帯びていると言いましょうか。
現地ネパールの市場にも世界の他のルビー(ビルマやインド、アフリカ産など)が流れてくるのですが、時にそれがガネーシュヒマール産として売られます。 たちが悪い業者や村人になるとガネーシュヒマール産ルビーの中に混ぜてきますが、本物の中に偽物があると最も看破が難しくなるのです。

ですが不思議なことに「違和感」があります。 本当に色が違うのです。 ガネーシュヒマールのルビーは、それしかない色なのです。
しかしあくまでも違和感は経験から来る個人の「感覚」であり、正直なところ精度があるとは言えず、真贋を看破できるものではありません。ガネーシュヒマール「らしい」色が存在すると言うことだけお知りおき下さい。

そしてもうひとつがゾーニングの仕方です。
どちらかというとバイカラーと言うよりも赤ベースに青のゾーニングが乗るようなイメージです。
赤のボディに青の棚引きがあるようなものが多いです。
この青の棚引きはカリフォルニア大学教授のBasett博士に「Smoke-like」つまり「煙のような」と表現されています。 バイカラーというと例えばアメトリンのような綺麗に半々に分かれたような印象がありますが、それとは少し異なるように思います。

またもう一つの特徴として母岩から美しいといういうこと。 ドロマイトとカルサイトを母岩とし、緑色のフックサイト、オレンジ色のプロゴバイトを伴います。 ドロマイトの白、コランダムの赤、フックサイトの緑、プロゴバイトのオレンジが想像する産物はまるでアート作品を見ているかのような芸術性を感じずにはいられません(Bassett博士の1985年レポートによると、そのほかルチル、アパタイト、スキャポライト、タルク、パイライト、トレモライト、スファレライトも検出されています)
全体像としての美しさもガネーシュヒマールのコランダムをガネーシュヒマールのコランダムたらしめる要素のひとつのように思います。

ダディン地区(通称ガネーシュヒマール産)ルビーサファイアの真贋?

とにかく採掘高度が高く(ルニール鉱山は4200m)、自然環境が非常に厳しいということ。 麓の村からも非常にアクセスが悪く、冬場は雪に閉ざされます。 採掘場はまさしく断崖絶壁のようなところで足下は非常に脆く常に生命の危険が伴うようなところです。

そのような危険きわまりない採掘場にも関わらず、80年代から90年代にはかなり活発に採掘が行われました。 ルビーの鉱山はルニール・チュマールを中心に5つのエリアが確認されておりますが、 この辺り一円は遠くからでもその場所がわかるほどに禿げ上がっております。 最盛期は年間で1000キロくらいの産出があったのでは、というレポートが残っておりますが確かな数字ではありません。 ほとんどのルビーは周辺の村人グループが「勝手に」採掘を行っている為、非公式な部分は反映されません(彼らの庭のようなものですから統制のしようもありませんが)

現状においてはすでに劣悪な環境で採掘できる範囲は掘り尽くされていると思われ、今後も安定した産出は見込まれないでしょう。 90年代後半から2000年代初頭にはヨーロッパの資本、近年では中国の資本が入るという噂もありましたが、それらも実現しておりません。
あまりに過酷な環境であるということ、そしてほぼ無人の地域である採掘エリア一帯及び村人鉱夫を管理しきれないことを考慮すると事業として採算が取れないからであろうと推測されます。 80年代の当時から現在に至るまで(一時期はネパール人業者の資本・管理も入ったようですがすぐに撤退)この地域の土着民であるタマン族グループが採掘にあたるのみとなっております。
従いまして供給は極めて不安定、価格も極めて不安定です。
特に世界に誇れるほどの宝石質ルビーは5つの中でも特定の鉱山でしか産出しておりません(この場では秘密です) 今後もそれが産出する可能性は限りなく低いでしょう。

さて気になる真贋ですが、ルビーに関しては一般的に熱処理や充填など様々な加工が施されます。 しかしネパール産ルビーにおいては、現地でカット加工されて現地から市場に出たものであれば人工的な処理の可能性はほとんど無いと言って過言でありません。 80年代から現在に至るまで現地の工房には熱処理や充填処理を行う技術も機材もないからです。

真贋があるとすれば、それは処理の問題では無く、他のヒマラヤ系鉱物と違わぬ「産地偽装」でしょう。 上記解説中にも記載しておりますが、他の地域からやってきたルビーを「ガネーシュヒマール産」として売られているケースは私自身も何度も見ております。 これに関しては制御のしようも無いですから自己防衛して頂くしかありません。  ※但し超一級のルビーなど(例えばビルマ産)はネパール産とされることはありません。 何故ならそれらはビルマ産としてのほうが価値があるからです。 それにその質のルビーは投資先としての魅力に薄いネパールの市場まで回ってきません。

しかし産地特定の可能性として1997年にスイス人ジェモロジストのC.P.スミス氏が興味深い論文を発表しております。 氏が調べた9つのガネーシュヒマール産ルビーサファイアの内包物は他の産地のルビーには見られない(と思われる)特徴がある、と。 世界の他の地域で産する「大理石生まれ」のルビーですが、多くのルビーはインクルージョンとしてルチルが内在します。
ガネーシュヒマール産のルビーはそのルチルのインクルージョン状態に際立った特徴があると論文の中で公表しております。 その特徴に関してはこの場では割愛させて頂きます。
この記述をお読みの皆様の中にジェム質ルビーサファイアをお持ちの方が何名いらっしゃるか不明ですが、 気になられた場合はスミス氏の論文を元にルチルインクルージョンを調べてみるのも良いでしょう。
さしたる機関に持ち込んで高倍率の拡大鏡で見れば確認可能です。

尚、ネパール産鉱物研究の先駆けとなったヨーロッパの識者達ですが、90年代をピークに研究が激減し、その後ヒマラヤの鉱物は市場からも学会からも忘れ去られております。 度重なる価格の高騰や供給源の減産、現地における2000年代の政情不安なので足が遠のいていったものと思われます。

ダディン地区(通称ガネーシュヒマール産)ルビーサファイアのグレード評価基準

ネパール産ルビーサファイアの最上位に位置するものは当然「宝石質」です。 上記写真にあるような透明度のあるものが最上級ですが2020年現在、手に入れるのは不可能に近いと言わざるを得ません。 ほとんどの宝石質は90年代から2000年代初頭にヨーロッパへ流れており現地には全く残っておりません。
当店(旧ショップ)でも最高質を2つ、それに準ずるものは複数個持っておりましたが旧ショップの閉店と共にすべて放出してしまいました。 最高質であればカラット数万から数十万円ということにもなります。 それらが当店表記の☆9☆10となりますが、現状では市場に存在しません。

宝石質を除けば次いで質が良いのは透明感があるもの、発色(鮮やかさ)が強いもの、カラーゾーニングが美しい・面白いもの、クラックが少ない、という観点から評価しております。 その石の主たる色である赤部分は鮮やかである程よいです。 そしてガネーシュヒマールらしいはっきりとしたゾーニングがあるものも評価を上げております。 結晶自体が小さな粒のような集まりであることが多いので、大きく削れたものはその「大きさ」だけでも価値が置かれます。

ダディン地区(通称ガネーシュヒマール産)ルビーサファイア着用・取扱いの注意点

コランダムは和名「鋼玉」のとおり非常に硬いです。 モース硬度9ですのでダイヤモンドに次いで硬い石になります。 ダメージやスクラッチ傷等、比較的気にせずにご着用頂ける石だと言えます。 しかしながら落下などによる大きな衝撃が加われば割れてしまったり欠けてしまうこともありますのでご注意下さい。
特にガネーシュヒマール産のルビーはクラック部分も多いです。 そのような部分は脆いと思われます。 酸性成分や油分、水分によって変色や劣化を起こすことはありませんが、大量に汗をかいたりするような機会もは外した方が良いでしょう。


【 ご注意下さい 】
ヒマラヤの鉱物はどの産地も奥深い山中にあり、産地に関しては本当に明らかな部分は少ないという事、我々の情報にも誤りがある可能性があることをご理解下さい。 記載内容の中には「こうだったからこうだったのではないか」という長年の経験に基づく推測も多く、事実や根拠に裏付けされたものでない部分もございます。
多くのヒマラヤ産を扱う業者さんもこちらの記述をご覧になられると思いますが、無断で流用する場合はそれなりの覚悟と責任をもって行って下さい。 これらは私どもの完全なる一次情報であり、安易に鵜呑みにすると誤報を流すと言うことになりかねない事情をご理解下さい。
それでも我々の情報を参考にして頂ける場合は、ご一報下さいました上で情報をご活用下さいますようよろしくお願い致します。
また、現地でも相次ぐ産地偽装問題や競争の激化、不安定な価格など、ヒマラヤ産鉱物に関しては問題が山積みです。シャンバラストーンズをご覧頂いている皆様にも「ヒマラヤ産」というだけで短絡的に飛びつくこと無く、情報や業者を精査し、自己防衛を計って頂けると大変に嬉しく思います。

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