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取扱い天然石解説

ブラックムーンストーン

鉱物名
カリ長石(含ナトリウム・バリウム)
宝石名
ブラックムーンストーン
主要産地
当店の扱っているものはタンザニア産(カリ長石は世界各地で産出あり)

ブラックムーンストーン宝石名の由来

ムーンストーンを解説するのは本当に難しいのです。 まず「ムーンストーン」という鉱物種は存在しません。 そしてムーンストーン=長石でも無いのです。 ややこしいのは長石(フェルドスパー)も鉱物種名ではなく、鉱物グループ(族)名なのです。
そして長石グループはサブグループとして更にアルカリ長石(これもグループ名)と斜長石(これもグループ名)に分かれます。 アルカリ長石の中でカリウムに富む長石が「カリ長石」(遂に鉱物種名)であり、その他にもアルカリ長石族にはマイクロクリンやサニディンなどの鉱物種が存在します。
そして斜長石族(グループ名)の方はといいますと、ナトリウムの多い斜長石が曹長石・アルバイト(←遂に鉱物名)であり、カルシウムが多い斜長石が灰長石・アノーサイト(←遂に鉱物名)なのです。
この斜長石族ですが、ここでまた話がこじれるのです。 現行ではナトリウムとカリウムの含有率を半々で分けて、曹長石と灰長石と2種になりました。
が、数年前までは含有率に比例してアルバイト→オリゴクレース→アンデシン→ラブラドライト→バイトウナイト→アノーサイトと6分類していたのです。
どうでしょう、皆様が普段宝石名・販売名として耳にする名前がいくつかありますよね? この6つはかつて固有の「鉱物種名」でした。
つまり数年前までは鉱物種名と宝石名が合致しているものもあったのです。 が、何故6種が2種になったのでしょうか。
答えは簡単、めんどくさいからなのです。
実はこの隣り合う鉱物達は境界線上にあるものも非常に多く、アンデシンだと思っていたものが成分比率を調べてみると実はラブラドライトだった、 オリゴクレースかと思ったらアルバイトだった、ということが多発していたのです。
長石種は非常に個体差も激しく、同じ鉱山から産出し、同じ見た目のものでも成分解析してみると6種の中の違った2種になることがあったりするのです。
「これはもう半々で割ってしまうのが実践的だろう」となったわけです。

このように非常に省略して説明しても呪文のようになってしまうのが長石族。 そしてムーンストーンに話を戻すと、ムーンストーンは鉱物名ではなく宝石名なのです。
しかも長石すべてをムーンストーンと呼ぶわけでは無く、長石の中でも特有の「光の揺らめき(シラー効果と呼ぶ)」を見せるものに限るのです。
このシラー効果は長石特有の層状構造(ラメラ構造)によるものです。 例えばもともと「ムーンストーン」と呼ばれている宝石は、オーソクレースとアルバイトが薄い層状に重なりあっております。 ミルクレープでもイメージして頂ければわかりやすいかと思います。 この薄い層状構造が反射板を作り出し、ボワッと広がるような光の揺らぎを発現するのです。 元来は「青白い光」を発する長石のみムーンストーンと呼ばれていたようですが、現在は青白い光でなくとも光が揺らぐ(シラー)効果が見られるものをムーンストーンと呼ぶようです。
こちらの黒いカリ長石、確かに光が揺らぐ現象が見られます。
そして長石族であるということ。
現状においては「ブラックムーンストーン」(仮)という呼称で良いのかな、と思っております。
※下記解説もご覧下さい。

ブラックムーンストーンの解説

ここではブラックムーンストーンを掘り下げてお話し致します。 つい先日(2019年の話)手に入れたブラックムーンストーン。 海外業者の販売名が「ブラックムーンストーン」だったわけですが、ブラックムーンストーンって何だ? 何の鉱物なんだ? 名前からではそれが鉱物種として何なのかは全くわかりません。 正しい情報を提供できないので販売を保留しておりました。 しかし黒光りするボディは格好良いですし、そこから業者の言うとおり「シルバーの煌めきとゴールドの煌めき」が見えるのです。 確かに格好良い、めちゃくちゃ好み。 値段も高くないですし、とりあえず仕入れておくことにしました。 で、つい先日専門機関でX線元素分析を行ったのでその報告です。
成分の含有量の比率で見るととして最も近い鉱物種はカリ長石(オーソクレース)でした。 アルミニウムを豊富に含み、若干(2%弱)のバリウムと2%強のナトリウムも確認できる。 「カリ長石(含バリウム・ナトリウム)」というのが解析に最も即した呼び方でしょうか。
ん?まてよ、ナトリウムを含む、つまりアルバイト(曹長石)的側面も見られる…。 しかもこのブラックムーンストーン、まさしくムーンストーンらしいシラーが見られるのです。 上記にゴールドとシルバーの煌めきと記載しましたが、その反射はボワッと柔らかいのですよね。 ※光の特徴として、ゴールドは「点」で輝き、シルバーは「層」で輝きます。 この光学現象はまさに層状構造によるものではないか?
つまりオーソクレースとアルバイトのミルクレープなのか? だとすると限りなく「ムーンストーン」だと言えますよね。 が、しかしそれはあくまでも推測です。 行ったのはあくまでも成分解析のみであり、そこから導き出せる結論だけでは確定はできません。 何故黒いのでしょうね。 色の原因はわかりません。 成分解析上はごく微量の鉄分も検出されていますがそれでしょうか。
ともあれ何であるか大まかにわかっただけで充分に価値ある解析だったと思います。
よりましてシャンバラストーンズでは販売の際、販売名(宝石名)としてブラックムーンストーンを使用します。
鉱物名としては実態に最も近いカリ長石(含バリウム・ナトリウム)と記載致します。

※ちなみに今回の解析はホリミネラロジーさんにてビーズ玉の中のひとつを解析したに過ぎません。 長石族の各鉱物は非常に複雑で境界線上にあるものも多いです。 全く同じに見える同じ連から来たビーズでも同じ解析結果が得られるわけでは無いということをご了承下さい。
また上の記述はすべてシャンバラストーンズの見解・推測であり、ホリさんの見解ではございません。

※また上記の三角形相関図は日独宝石研究所発行のGem Information第37/38合併号(2008年発行)2ページ目より抜粋致しました。尚、この号の特集ではアンデシンの研究報告がなされておりますが非常に興味深いです。是非皆様もご一読下さい。

追記:ブラックサンムーンストーンに関して

その後に登場した「ブラックサンムーンストーン」に関しても簡単に解説しておきます。 上記ブラックムーンストーンの同産地にて更にゴールドの煌めきが強いものが産出し、それらを市場では「ブラックサンムーンストーン」と呼ぶようです。 もはや名前だけ聞くと何が何だかわかりませんが、つまりはサンストーンのアベンチュレッセンス(黄色から赤の色相を持つ光の煌めき)とムーンストーン特有のシラー効果(ぼわっと浮かび上がる白から青の光)を同時に持つという特徴から来ているのでしょう。
確かに「サンストーン」と「ムーンストーン」の名前の定義的な側面から考えると「サンムーンストーン」という通称は理に適っていることになります。 ※JJA/AGLの定義によると「赤~橙色でアベンチュリン効果を持つ長石を変種によらずサンストーンという宝石名で呼ぶ」ということだそうです。 尚、アベンチュリン効果が弱かったり、色相が異なるものはサンストーンとは呼びません。
ちなみにこちらの「ブラックサンムーンストーン」ですが念のためホリさんのところで同定もしております。結果は、、、当然「カリ長石」(含バナジウム・ナトリウム)でした。成分比率もブラックムーンストーンと相違ないと言えるほどに同値でした。
しかし残念ながらこのゴールドの煌めき(アベンチュレッセンス)を生み出している内包物は特定できませんでした。内包物が微細である(もしくは露出が少ない)為にX線で解析ができませんでした。光に透かすとたくさんの黒点状内包物が見られますが、板状ヘマタイトやゲーサイトと推測されます。
今回のタンザニア産ブラックサンムーンストーンのゴールドの十字と非常に似た特徴の十字を発現するサンストーンがインドで産出します。そちらは日独宝石研究所さんの解析で板状ヘマタイトと針状ゲーサイトだと特定されております。恐らくはタンザニア産の内包物も似たようなものではないかと(安易な結びつけは良くありませんが)
以上簡単な「サンムーンストーン」に関する考察でした。サンストーンもムーンストーンも長石族の中でも特定の光学効果を示すものに与えられた宝石名です。サンストーンは内包物による光の煌めきであり、ムーンストーンは層状構造(ラメラ構造)が生み出す光の遊びである、というところが面白いですね。


ブラックムーンストーンの真贋?(天然と人工処理)

今のところ人造品や人工処理品については聞かれておりません。 当店販売価格の通り、かなり質の高いビーズやカボションでもこの程度のお値段となっております。 ある程度の産出量があるからこそ(もしくは見込める)比較的廉価なわけです。 宝石として超高額になるものでは無い、つまり紛い物も出回り難いかと思います。 ニセモノ作り名人達もそこに現金価値を見出さなければニセモノ作りに精を出さないのです。 もしも処理が行われるならば、表面をコーティングするような処理ではないかと思います。

ブラックムーンストーンのグレード評価基準

まだ数を多く見ていないのでグレード評価をしにくいのですが、取引業者では3段階ほどのグレードを見ました。 大きな差異はシラーの見え方ですが、「点」のゴールドと「層」のシルバーがよりはっきりと見えるほど良いようで全体の20%ほどでしょうか(当店が仕入れているグレードです) ものによってはシルバーしか見えない、もう一段階下がるとシラー(光の揺らぎ)がほぼ見えないような感じでした。 また、表面に傷(クラック?)が見られるものも多いです。 ということで現状では良いものほどゴールドとシルバーの煌めきが顕著である、傷が無い、ということでしょう。

ブラックムーンストーン着用・取扱いの注意点

カリ長石はモース硬度6、実用するには問題ない高度だと言えます。
他の天然石同様、落下等の大きな衝撃や過度の酸性成分・油の付着には気を付けなければなりませんが着用に際して過剰に気にする必要はないでしょう。


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