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取扱いインクォーツ解説

取扱いインクォーツの解説

インクォーツとは

インクォーツとはin quartz、つまりインクルージョン(内包物)のある水晶全般を指します。
当店ではインクォーツ、インクルージョン水晶、内包物入り水晶などの言葉を使用しておりますがすべて同義とお考え下さい。
水晶最大の魅力は生成の温度や圧力が広いため周りにある鉱物を取り込みやすい事。
水晶ほどに多くの鉱物や物質を含み、他の鉱物と共存するものはありません。
実に様々な鉱物を内部に幽閉し、極めて神秘的で耽美な世界を形成します。
その魅力溢れる世界に取憑かれてしまったらもう最後、インクルージョン水晶を蒐集せずにはいられません。

シャンバラストーンズはインクルージョン大好き、珍しい水晶インクル、美しいインクォーツに目がないのです。
水晶の中に「内包物」がある、ということで大まかにいうならば、容器はすべて同じ、中身のインクルージョンが違うだけなのです。
インクルージョン水晶のすべての鉱物名が「石英」になりますし、硬度や取扱いの注意事項も同じものとなります。
産地偽装はあり得るもののいわゆる「偽物」の存在はあまり聞かれず(インクルージョン水晶を人工的に作るのは非常に難しいため)処理・人造されたものも比較的少ないというのも魅力のひとつです。
従いましてインクォーツ系は天然石解説とはまた違うアプローチから簡略に解説したいと思います。


ガーネットインクォーツ

鉱物名
クォーツ(石英)
通称
ガーネットインクォーツ、Garnet in Quartz、ガーネット入り水晶
内包物
多くの場合スペサルティンタイプのガーネット
主要産地
マダガスカル、ブラジル、中国、パキスタン、ネパール等

ガーネットインクォーツ解説

ペグマタイト鉱床において共生しやすい水晶とスペサルティンガーネットですから水晶のインクルージョンとしてガーネットが取り込まれるのは決して希有なことではありません。
中国福建省産の煙水晶表面にスペサルティンが付着するものなどが近年話題でしたが、インクルージョンのみならず表面に不着するものも往々にして見られます。
しかし美しいガーネットインクォーツとなると話は別です。
ペグマタイトで生成した水晶は白濁しやすいという特徴がある上、比較的大きな結晶として取り込まれるガーネットが内部に亀裂を作りやすいのです。
ガーネットインクォーツで検索すると意外にも綺麗なビーズやカボションが無いことに驚かされるでしょう。
近年良質のガーネットインクォーツの産地として知られるのはマダガスカルです。
大きな塊状に産出し比較的透明度の高い部分も見られたため、一時期ある程度の数の良質カボションやビーズが削られました。
シャンバラストーンズで取り扱っているガーネットインクォーツもほとんどがマダガスカル産です。
しかしカット業者によるとここ数年はマダガスカルから原石が全く届いていないとのこと。
以前は珍しいインクルにしては割安感があったのですが、今後の安定した供給は難しいかもしれません。

ガーネットインクォーツのグレード・評価基準

白い靄により白濁することが圧倒的に多いガーネットインクォーツですから、透明度が高いものが高品質となります。
真透明な水晶にポツンと浮かぶオレンジ色のスペサルティンがなんとユニークなことでしょう。
ガーネットの結晶は粒状で砂利に近いサイズのものが一般的であり、スペサルティン結晶が大きなものは大変に価値があります。
ぶつぶつと密集しているものもとても評価が高いですが、複数内包されるほど水晶がクラック・白濁する傾向にあるので判断は難しいところです。


(いわゆる)スーパーセブン

鉱物名
クォーツ
通称
スーパーセブン、メロディストーン、セイグリッドストーン等
内包物
ゲーサイト(針鉄鉱)、レピドクロサイト(鱗鉄鉱)、ヘマタイト(赤鉄鉱)
主要産地
ブラジル・エスプリトサント州産、マダガスカル、インドなど

スーパーセブン名前の由来

インクォーツとして最も際立った存在であると共に最も解説が億劫なインクルージョン水晶がこのスーパーセブン。
シャンバラストーンズで解説の際に「いわゆる」スーパーセブンと呼ぶのにも訳があります。
まずはこの名前ですが、未だに主流となっている解説はざっと以下の通りです。
スーパーセブンは7つの鉱物(要素)が含まれている水晶であり、その7つとは「クリスタル、スモーキークォーツ、アメジスト、ゲーサイト、レピドクロサイト、カコクセナイト、ルチル」である。
アメリカの著名なクリスタルヒーラー?であるメロディ女氏によってスーパーセブンと命名・紹介され、地球上で最も高い次元の波動を放つと言われる。
尚、7つの要素すべてが入っているものが最強であり、エスプリトサント州の同女氏の会社の所有する鉱山から採掘されるもののみがスーパーセブンと認められる。

まずこの7つの要素ですが、ルチルの混入は私自身は見たことがございません。
ゲーサイトとルチルが共存することはあり得るのか、もしあるとするならば破壊検査を行った際の結果を見てみたいものです。
いわゆるスーパーセブンの内包物として見られる針状の鉱物はほぼゲーサイトではないでしょうか。
(稀に黄色・金色の色相をしたゲーサイトが入ることがあるので誤認したと可能性が高いかと思います)
そしてもう一つの問題は内包物のひとつとされるカコクセナイト。
スーパーセブンの中に見られる黄色い針状およびセロファン状の内包物がカコクセナイトと誤解されております。
しかし生成の温度の関係上、カコクセナイトが水晶の内部に入り込むことは限りなく難しいと研究者達に結論づけられており、カコクセナイトが水晶の中の内包物として確認されたことはありません。
(参考の英字文献が2003年発行ですので、その後の研究はわかりません)
黄色の内包物はそれが針状であればゲーサイトの可能性が高く、セロファンのようにピラッと入っているものであれば酸化鉄成分と考えるのが妥当です。
英字サイトを覗いても当たり前のようにcacoxienite inclusion in amethystと謳われております。
挙げ句の果てには「スーパーセブンの内包物の中でアメジスト部分に内包された黄色いゲーサイトをカコクセナイトと呼ぶ」という説明が為されていることも。
ゲーサイトを何故カコクセナイトと呼ぶのでしょうか。
各々固有名詞です、鈴木さんは佐藤さんではありません。
また、7つの要素のひとつをエレスチアルとする解説も散見されます。
エレスチアルは形状に対する呼称であり、そもそもカット加工すればエレスチアルも何もありません。
カットされたビーズやカボションはその原石がエレスチアル形状であったかどうかはすでにわからないわけですし、それらをアメジストエレスチアルと呼ぶのには違和感を覚えざるをえません。

スーパーセブンがメロディー女氏を介して広まった頃は良かったのですが、その後は同州の周辺地域でも似たような内包物を持つ水晶が次々に産出しました。
さらにはマダガスカルやインドでも同様の石が発見され、もはや何がセブンだかもわからなくなりました。
スーパーセブンという呼称は一人歩きを続け、似たような石は何でもスーパーセブンと呼ばれております。

いわゆるスーパーセブンとシャンバラストーンズでの理解

上記の通りスーパー「7」の7つの要素自体が成立していないのですが、今もこのインクルージョン水晶はスーパーセブンと呼ばれております。
宝石名や通称が本来の鉱物名を反映していないケースは天然石の業界においては往々にしてあるものです。
スーパーセブンというコマーシャルネームはあまりに市場に浸透してしまっており、「スーパーセブン」という名前自体は格好良いですね。
我々としましても商業的理由でスーパーセブンという呼称を使わざるを得ない部分もございます。
あまりにその名が通っているため、その名前でないと販売を促進できないからです。
例えば検索対策を施すにしてもそれは「スーパーセブン」でないと意味がありません。
本当は違和感を覚えていながらもそれがあまりに通っているため、それで呼んだ方が良い、という意思を込めて「いわゆる」スーパーセブンと表記させて頂いております。

シャンバラストーンズでは「水晶・アメジスト・スモーキークォーツの中(もしくはそのいずれかの中)にレピドクロサイト・ゲーサイト・ヘマタイト(もしくはそのいずれか)を内包し、非常に美しい内部世界を持つ水晶であり、ブラジル・マダガスカル・南インド等で産する」という理解をしております。
上記のコンビネーションによりかなりのバリエーションを有する。
その世界観は圧倒的にして唯一無二、こんな際立ったインクォーツは他にあるでしょうか。
スーパーセブンにおいてはこのバリエーションを集める、というのも楽しみのひとつだと考えております。

色々と命名や実態に問題の多いスーパーセブンですが、シャンバラストーンズは無類のセブン好きです。
シャンバラストーンズの代名詞と言えるほどに力を入れております。
取扱い数も多いので、色によって3つにカテゴリー分類することに致しました。
※内包物や産地での分類ではございません。

スーパーセブン紫(パープルが目立つもの)

スーパーセブン赤(赤・オレンジが目立つもの)

スーパーセブン黒(黒・青光りする黒が目立つもの)

と表記及び陳列しておりますのでご了承下さい。

いわゆるスーパーセブンのグレードと評価基準

スーパーセブン紫

最も「オリジナル」らしいセブンでしょうか。
こちらは内包物の多さよりも紫の濃さとゾーニングの美しさが高い評価の基準となります。
はっきりとしたゾーニングが見られるものや紫が際立つ濃さを持つものは評価を上げております。
そこに適度な内包物が見られるのが理想的であり、スモーキーのゾーニングなども同時に見られれば最高です。

スーパーセブン赤

近年マダガスカルで産出するいわゆるスーパーセブンは赤いレピドクロサイトやゲーサイトを内包しているものが多いです。
それらはアメジストやスモーキーのゾーニングが現れることが稀です(稀にありますが、オレンジ内包物がアメジストの中に内包されるものなどは卒倒するほどに綺麗です)
ここ数年見られるようになった蛍光色オレンジも特筆すべきものでしょう。
こちらは内包物の量が評価の大切な基準です。
内包物が濃密であるほど色が際立ちますが、オレンジ色に至っては目が醒めるほどの蛍光色なことがございます。
オレンジ単色のみならず、蛍光オレンジがグラデーションしながら濃い赤になっているようなものも評価を上げております。
また「溶岩」と表現するドロッと入っているようなレピドクロサイトも異様な威圧感があり、希少性を考慮して価値をつけております。

スーパーセブン黒

こちらは内包物と透明感のバランスが大事でしょうか。
黒がぎっしり入りすぎているとあまり綺麗ではありませんし、スカスカでも迫力がございません。
単純に見た目が良いもの・迫力あるものに評価が高くつけられます。
また、黒単色ということはほとんどなく、赤い内包物(レピドクロサイトやゲーサイト)を含むことがほとんどです。
スーパーセブン黒の中で最も際立っているのは針金状の黒いゲーサイトが青光りするものでしょうか。
鉄が反射すると青い光を放ちますが、この青光りが非常に格好良いのです。
青光りタイプは決して多いわけではないのですが「青光り」といわれて見ると「おお、確かに青光り」となるでしょう。


クリソコラインクォーツ(ジェムシリカ)レイ鉱山産出に限る

鉱物名
クォーツ
通称
クリソコラインクォーツ、クリソコラシリカ、ジェムシリカ、クリソコラ入り水晶
内包物
クリソコラ(珪孔雀石)
主要産地
アメリカ・アリゾナ州レイ鉱山

クリソコラインクォーツ解説

銅の主要鉱山として今も稼働しているアリゾナ州のレイ鉱山、80年代から90年代頃にここから驚くべき内包状態を持つクリソコラインクォーツが市場に出回りました。
銅の二次鉱物である孔雀石や珪孔雀石が銅の鉱山から採掘されるのは珍しいことではないのですが、この珪孔雀石は非常に希有な形状でクォーツに閉じ込められていたのです。
クリソコラは通常コロフォーム(塊状)で産出するのですが、レイ鉱山においては鍾乳石状・葡萄状・腎臓状・チューブ状といった具合にとても面白いコロフォームを形成しておりました。
それらの大変興味深い形状を持つクリソコラがクォーツに内包されていたのですから世界中のコレクターが沸き立ちました。
チューブ状のインクルージョンなどは他に例がなく、その容姿は蒐集家達を大いに喜ばせます。
また、同鉱山では「ジェムシリカ」タイプのクリソコラインクォーツも産出しました。
ジェムシリカのタイプはカルセドニーのようなイメージを持って頂ければわかりやすいでしょうか。
インクルージョンが独立して際立っているわけではなく、微細な結晶として内包されているためクォーツ全体が色づいて見えるものです。
特に色が濃くて透明感があるものが「ジェムシリカ」などと呼ばれます。
※レイ鉱山のジェムシリカは透明度が限りなく高いものは少ないのですが、よく見ると内包物が葉脈状に見られるという面白さがございます。
この「ジェムシリカ」も非常に高額で取引されますが、唯一無二という観点からチューブ状や葡萄状のクリソコラ内包クォーツこそがレイ鉱山の真価のように思います。
尚、現在も銅鉱床としてのレイ鉱山は稼働しておりますが、90年代以降クリソコラインクォーツは採掘されておりません。
銅を含む鉱物が風化することによって生成する二次鉱物が珪孔雀石ですので、鉱山を掘り進めれば出てくるというものでもありません(むしろ二次鉱物は表面に近いところに産出します)
今後の産出も考え難く、依然としてコレクター泣かせのアイテムと言えるでしょう。

クリソコラインクォーツ(ジェムシリカ)レイ鉱山産出に限るのグレード・評価基準

我々も多くを手にしたことがなく、販売業者も少ないため基準となる価格やグレードが非常に難しいです。
検索しても当店で販売しているものほど際立ったインクルージョン状態を持つものはなかなか見つからないと思います。
インクォーツである以上、他のインクルージョン水晶と同じような基準で判断しております。
チューブ状や葡萄状が際立っているものほど評価を高くしておりますし、綺麗なものほど価値を上げております。
レイ鉱山のクリソコラインクォーツは水晶自体が必ずといって良いほど半透明ですので透明度はあまり基準となりません。、
大きさもとても重要な要素としておりまして大きなものほど希少です(検索で見つかるものは数カラットという小さなものばかりです)
また「ジェムシリカ」のタイプは色の濃さや透け感、葉脈状の面白さ、大きさを評価しております。


ストロベリークォーツ

鉱物名
クォーツ
通称
ストロベリークォーツ
内包物
ゲーサイト(ルチルの可能性も否定できず、後述)
主要産地
メキシコ、ロシア、カザフスタン

ストロベリークォーツ解説

※只今解説準備中。


デュモルチェライトインクォーツ

鉱物名
クォーツ
通称
デュモルチェライトインクォーツ
内包物
デュモルチェライト(デュモルチ石)
主要産地
ブラジル・バイア州

デュモルチェライトインクォーツ解説

この内包物が天然石市場を席巻したのはたった数年前の話、2014年頃でしたでしょうか。
躍起になって最高のデュモルチェライトインクォーツを探し回ったのは皆様の記憶にも新しいことかと思います。
デュモルチェライト自体は決して珍しい鉱物ではないのですが、世界の鉱物収集家を驚かせたのは、それが美しいブルーのインクルージョンとして水晶内部に存在していたからです。
コバルトブルーからインディゴブルーにかかる色帯は非常に鮮やかであり、パパゴアイト入り水晶の再来を彷彿させるほど。
インクルージョンの姿にも数パターン確認されており、時に母岩に近い部分で芝生のように内包物が立つこともあり、柱面でファントム層を成す形状も見られると思えば、錐面付近で放射線状に密集することもあります。
ブルーの創造する世界は大変に神秘的で一目見れば人気の理由がわかるでしょう。
採掘地は現在ブラジル・バイア州の某地域のみ(ブルッカイトインクォーツと同地域と聞きます)、2014年から数年に渡り大量に市場に出回りました。
しかしその後は新しい産出の話もございません。
一時期かなりの量が出たと思われるのですが、現在市場に流れているものはそれらの残りではないかと思います。
ビーズやカボションもここ最近は大きくて質の良いものを見なくなりました。
小さなサムネイルサイズの原石は大量に残っているが、削れるサイズのものはすでに無いのではないかと推測しております。
特にビーズやカボションに関しては最高クラスのものはすでに入手困難であり、値上がりの傾向が見られます。
幻のインクルージョンとなる前に入手しておきたいですね。

デュモルチェライトインクォーツのグレード・評価基準

水晶自体の透明度が高いこと(白濁やクラック無い)、内包状態が美しいこと、そして内包物の量と色でしょう。
特に最近見られるものは内包物の「量」が少ないもの、水晶に白い靄が見られるものが多いです。
高グレードほど色が濃い/鮮やかであり、内包物の密度もあるものとなります。
また、シャンバラストーンズでは内包の姿がユニークなもの、つまり芝生がはっきりしていたり、明確なファントム層が見えるようなものは高く評価しております。


ブルッカイトインクォーツ(プラチナクォーツ)

鉱物名
クォーツ
通称
プラチナクォーツ、プラチナルチル、ブルッカイトインクォーツ
内包物
ブルッカイト(板チタン石)、ルチル(金紅石)
主要産地
ブラジル・バイア州

ブルッカイトインクォーツ(プラチナクォーツ)解説

通称であるプラチナクォーツが独り歩きし、金ルチルのゴールドと対比されてプラチナルチルとも呼ばれるインクルージョン水晶。
ブルッカイト/ルチル入り水晶が正しいのですが、市場の認知度に準じて当店でもプラチナクォーツと記載することもございます。
さてこのブルッカイトインクォーツ(プラチナクォーツ)ですが内包状態は非常にユニーク。
特殊な環境下でしかこのような形状にならない為、ブラジル・バイア州のひとつの地域でしか産出しません。
見れば見るほどに面白い内包状態なのですが、ブルッカイトの芯(柱状の結晶)から無数の繊細なルチルが密集しています。
ブルッカイトの芯を覆うように生成している姿はまるで「毛虫」のよう(もしくはローリングブラシ状と表現されます)
ルチルとブルッカイトは同質異像(同じものの違った姿)の関係にあり、生成時の温度変化により2段階に分けて形成されたため、2つの姿が見られるのです。
このユニークな内包状態は他に類を見ないのではないでしょうか。
黒からシルバーに渡る色調は単純に「格好良い」と形容するに相応しいです。
最上級は常に手に入るわけではありませんが、ここ10年程の傾向として比較的安定して定期的に入荷してくるように思います。

ブルッカイトインクォーツ(プラチナクォーツ)のグレード・評価基準

他のインクルージョン水晶と同様に内包物が多いこと、ユニークであること、水晶自体の透明度が高いことが高グレードの条件となります。
廉価なものほどスカスカになり、ファサッとプラチナ色のルチルが浮いている程度になります(しかしそれはそれで綺麗です)
良いものは濃密にブルッカイト/ルチルが閉じ込められており、上記のようなローリングブラシ形状がはっきりとみられます。
カボションにおいては繊細なルチル針が幾何学的な模様に見えるようなものもあり、そのようなものは見た目のユニークさから評価を上げております。
最近少しずつ値上がりしているようにも思えますが、最上級品の金ルチルと比べるとまだ手に入れやすい価格かと思います。


水入り水晶

鉱物名
クォーツ
通称
水入り水晶、ウォーターインクォーツ、エンハイドラスクォーツ
内包物
水や炭酸水
主要産地
世界各地

水入り水晶解説

水晶中に液状のインクルージョンが入っていることは珍しくないのですが、それが「目に見える」ものは大変に珍しく、水入り水晶として価値を置かれます。
液状インクルージョンは水もしくは炭酸水であることがほとんどで生成の段階で内部に取り残されたものです。
通常の水晶よりも低温で生成し、短い期間で成長するスケルタル水晶(骸晶)は、周辺の泥土や液体を取り込みやすく、水入り水晶が多くみられます。
骸晶は外部も内部も凸凹が多く、この内部の凹に水が取り残されるのです。
内部の水や炭酸水ですが、同じ空洞に気泡が存在することにより、気泡(バブル)が動いて初めて確認できます。
水晶の中に動くバブルを見つけたときの特別感は表現しがたいものがあります。
本来無機的な鉱物の中に有機的な動く「何か」が存在するというのは一種の違和感となります。
非生命体に生命力のようなものを感じてしまうと言いましょうか。
水入り水晶が我々を魅了するのはこの違和感にあるのではないかと思います。

水入り水晶のグレード・評価基準

通常であればなかなかカット加工や研磨をされないのが水入り水晶。
水入り水晶は骸晶であることが多く、内部は空洞やクラックだらけ。
せっかく液体とバブルを含む空洞があったとしても、削ればそこから水が漏れてしまう可能性が大きいからです。
2018年にいくつかカット研磨された水入り水晶を仕入れた際は「よくぞそこを削ったものだ」驚きました。
カットされた水入り水晶が今後も手に入るかどうかは微妙なところです。
さてこの水入り水晶ですが、価値基準は気泡(バブル)にあり。
バブルが大きいほど見栄えがしますので、バブルが大きいものは著しく価値が上がります。
バブルがよく動くものもわかりやすいので評価が高くなります。
バブルが複数箇所に確認できるものもとても良いです。
反対にバブルがあまり動かないもの、見えにくいものは水入り水晶としての評価は高くありません。
他の内包物が同時に見られたり、水晶に面白い特徴がみられるものは評価を上げるべきでしょう。


ルチルインクォーツ

鉱物名
クォーツ
通称
ルチルクォーツ、ゴールデンルチル、金ルチル、金線水晶、ルチル入り水晶、Rutilated Quartz
内包物
金紅石(ルチル)、ヘマタイトやイルメナイトの混入もしばしば見られる
主要産地
ブラジル・バイア州、インド、マダガスカル等

ルチルインクォーツ解説

水晶内包物の王様といえばルチル、燦然と輝く黄金の内包物は王様と呼ぶに相応しいのです。
ルチルといえばゴールドの印象ですが、実は色相豊かなもので鉄やマンガンの含有により金色、赤、褐色から黒まで色の幅があります。
その中でも黄金に輝くルチルは特出しており、最も人気のカラーだと言えるでしょう。
ゴールデンルチルと言えばブラジル、というほどにブラジル無くしてルチルは語れません。
近年ではインドやマダガスカルでも産出が聞かれますが、現状において商業規模ベースで我々を惹きつけて止まないルチルクォーツはすべてブラジル産と言って過言で無いでしょう。

またルチルクォーツの中には更に特別な名前を持つものがあり「太陽ルチル(タイチンルチル)もそのひとつです。
太陽ルチルはヘマタイトもしくはイルメナイトを中心として6条の放射線状にルチルが形成されており、天照らす太陽のように見えることからその名で呼ばれております。
綺麗な6条を示しているものは大変に希少で高額となります。
またルチルクォーツには水晶内部でまっすぐに整列するものがあり(通常は縦横無尽に散在しがち)、そのようなルチルは光を反射するとルチルに対して垂直に一条の光が走ります。
このような光が走る効果を「キャッツアイ効果」と呼び、そこからキャッツアイルチルとも呼ばれます。
本当に美しくまっすぐ揃っているものは希少でありこちらも高額となります。
金ルチルの針が非常に繊細なものは「エンジェルヘアー(天使の髪の毛)」と呼ばれることもあり、ギラギラとした輝きとはまた違う美しさを見せてくれます。
褐色を帯びたものは一般的に黄金色よりも価値が落ちるのですが(カッパールチルと呼ばれることも)、褐色でも際立って美しいものなどはタイガールチルとして重宝される場合もございます。

ルチルインクォーツのグレード・評価基準

単純明快でわかりやすいのがルチルクォーツ。
とにかく見た目が派手で豪華であるほど価値があると考えて良いでしょう。
ルチルが純金24Kゴールドと見間違うほどの山吹色ゴールドであること、ルチルの濃密さが豪華な外観を生み出す鍵だと言えます。
上記解説のような一線を画するルチル(太陽ルチルやキャッツアイルチル)も希少性から高値で取引される傾向にあります。
内包物入り水晶である以上、当然の如く水晶の透明度は大変に重要であり白靄やクラックが無いものが良質となります。
裏を返すとこの反対が質の劣るもの・安価なものとなります。
ルチルの密度が薄い(スカスカ)、ルチルの入り方が美しくない、水晶が白濁している、ヘマタイトやイルメナイトの黒点内包物が目立つ、等が見られる場合は著しく価値が落ちると考えて良いでしょう。
また、ルチルの針に沿って油分を浸透させる加工処理があると聞いたことがございます。
それによってルチルの発色が良くなり、照りや輝きが生まれるのだとか。
このような処理が施されているものは紫外線(ブラックライトで可)をあてることにより油が蛍光するので判別が可能なのだそうです。
が、我々自身は油分処理を施されたルチルクォーツを見たことが無く、噂の域を越えておりません。

補足:ルチルと呼ばれるルチルでない内包物達

未だに水晶内部にみられる針金形状の内包物をルチルと呼ぶ傾向がございます。
近年は市場において鉱物・天然石の理解が深まりつつあり、少しずつ修正されているようですが、針状内包物=ルチルではございません。
例えばよくブラックルチルと呼ばれるもの、黒いルチルのこともありますが多くはショールトルマリンです。
ブルールチルと呼ばれるものはインディゴライト(トルマリン)、グリーンルチルは緑閃石(アクチノライト)です。
レッドルチルはゲーサイト(針鉄鉱)やレピドクロサイト(鱗鉄鉱)であり、鉱物名のルチルを使うことは誤解を招く一因となります。
針状の内包物を見かけたときはそれが鉱物として何であるかきちんと確認しましょう。


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